山野草の栽培


 山野草を楽しむには、山野草と仲良くなりましょう。仲良くなるには、先ず相手の名前を知ることから始まります。どんなに小さくて目立たないものにも、ちゃんとした名前がついています。次に野外へ出かけ沢山の草花と出会い、よく観察することです。そのことが草花の育っている環境を知り、植物の性格を知ることに繋がっていくことになります。
 四季折々の美しい山野草を近くで楽しみたい、そこで自分で栽培することになります。栽培すると、好きな草花を、新緑の時期、花の時期、紅葉の時期と1年中、間近で観察できます。
 その中で私は、春の芽出しが一番好きです。冬の間、土の中で眠っていたものが、暖かい陽気に誘われて、土表を破って新緑の芽を出す。言いようのない喜びと感動が心の底から溢れてくるのです。力強い生命力を感じるのです。栽培していなければ解らない、最大の喜びです。

● 栽培環境
 これまでの経験の中で、環境作りが最も大切だと感じました。好きな花でも環境に適しなければ、どんなに努力して栽培しても無駄な抵抗です。自分の住んでいる環境を知り、その環境に合う山野草を育てることが最も重要なことだと思います。そして何よりも家族の理解と協力がなければ綺麗な花は咲きません。

 広い河川敷にコスミレが石垣の僅かな窪みに葉を一杯茂らせ咲いていました。直ぐ近くに広々とした大地があるのに、その場所には1本も咲いていません。そんなはずは。。。目を凝らして探しても見つかりません。こんな過酷な条件に耐えている。。。のではないのです。
真夏の暑さは石の冷たさで根が守られ、冬の北風に葉はボロボロに朽ちてしまうが窪みで根元が守られている。コスミレにとって最も適した環境が僅かな窪みだったのですね。
● 用土
身近なホームセンターなどで手に入れやすい用土を使用します。

◆私の基本用土

1)桐生砂   2)日向砂   3)軽石砂  4)富士砂


◆植え込み種により混合する用土

5)硬質鹿沼土 6)硬質赤玉土 7)籾殻燻炭  8)りん炭  9)水苔


10)ベラボン(椰子殻) 11)その他に木炭や砂利を鉢底のゴロに用いる
       

◆その他籾殻燻炭の利用方法
 市販の籾殻燻炭をそのまま培養土として使うには????不適のため、半焼きの籾殻を造り2〜3割混合して使います。
主にシンビジュームなどの洋種ランの培養土して単体で使っています。また暑さなどで根株の弱った山野草などの再生に使ってみたら、以外と良好なので試験中です。
◆基本用土の作り方
・1)〜4)を同量でブレンドする
・ブレンドした砂をフルイにかけ、2mm以下のものと、それ以上のものをフルイでわけます。その後よく水洗いをし天日干しにして使用します。
・2mm以下のもは種子蒔き等繁殖用に使い、2mm以上の混合砂を基本培養土として使用します。

・古い土は捨てずにポリバケツに入れ1ヶ月くらい水漬けしておきます。水漬けする事により古根が腐り離脱します。その後よく水洗いし、ビニ袋に入れ充分に天日干しをします。(混合砂を主体としたのは再利用の為です)
植え替えなどの時、古い土を新しい土に3分の一位を混ぜ合わせ使用します。

※植える植生により基本用土に残を赤玉土や鹿沼土を混合します。
※籾殻燻炭からブラボンまでは野生ランの培養土として基本用土に混合します。
台所用のザルを微塵分けと水洗い用に使っています(取っ手が付いているので便利です)
● 肥 料
肥料には、チッソ肥料、リンサン肥料、カリ肥料があり、植物には必要な三要素です。
以前は山野草に肥料をやる事に関して消極的で、特に野生ランに対しては抵抗がありました。自生しているときは誰も肥料なんか与えてくれないし、水と空気で賄なっているのだから充分と考えていたものです。
今は山野草達の悪環境に負けない体力作りにと、活力剤や肥料を施っています。春は夏場の抵抗力をつけるために、秋は体力回復と来春の活力温存のために、夏季と冬季は一切断ちます。

チッソ肥料   (N)−葉肥(茎や葉の成長)
リンサン肥料  (P)ー実肥(花の大きさ、開花、実)
カリ肥料     (K)ー根肥(根、球根、室内の植物)

◆液体肥料:ハイポネックス=成長期の4月中旬〜7月初旬と9月下旬〜11月一杯(毎週3000倍薄め液)
◆固形肥料:マグアンプK=多肥を好む山野草のみ、基本的には無し

※2010年から使い始めたアートレイ社の「モフミン酸k」は特に「小形野生ラン」の育成に効果が出ています。
  山野草やすみれ類には極薄で効果があり、お勧めです。
● 薬剤等
 薬剤散布は好きではありません。でも山野草を育てていく上には避けて通ることはできないので自然界にやさしい薬剤で、病原菌には納豆菌の「ボトピカ水和剤」害虫には天然微生物パワーの「バシレックス水和剤」を使っています。
 特に南西諸島のすみれ達は薬剤に弱いので重宝しています。また散布効果期間中は蝶も虫も寄り付きません。
● 水やり
 灌水管理が一番難しいですね。鉢が乾いたら底から水がジャージャー出るほど掛けます。葉や花に水が掛からないように株元に注ぎます。人間だって頭から水を掛けられたらイヤでしょう。
鉢が乾いたら・・・このタイミングは30年以上も栽培をやっていますが未だ解りません。完全に乾いたら根腐れの原因になるので要注意です。また与え過ぎも良くありません。自生地での山野草は雨水だけが頼りで、長い間雨が降らなくても生きています。このことを頭に入れながら水やりを施っています。。
また野山に出かけ、家を留守にする事が多いので、その時だけ越水でクリヤーしてます。

 四季の潅水
春、秋・・・朝1回、鉢底の乾き具合をみてやる(雨天も関係なく)
夏・・・・・夜に潅水します(鉢を冷やすことと、日中の蒸れを防ぐ為)
冬・・・・・殆ど発砲スチロール箱で保管している(水苔を中に入れるが無くても良い)
      棚上の鉢は乾いてから潅水します(砂中心なので乾きやすい)
※四季を通じて、水やりは、鉢が乾いてからが基本ですが…用土の匂いを嗅いで、匂いがなくなるまで潅水します。数回かかる場合は四季に関係なく植え替えます。
● 植え替え
 それぞれの山野草を別ページで記したいと思います。
● 殖やす
 株分け、挿し芽、根伏せ、葉挿し、実生など、いろんな方法があります。
育てている山野草が何らかの原因で涸れてしまった・・・どうしよう・・・
そんな万が一の為に保険を掛けておきましょう。。。それが「殖やす」です。20年の栽培の中で、いろいろ試してきましたが「実生」は今年からの始めての経験です。
「野草の庭」の motoさん や「雑草ちゃうで」の ごまのはぐささん を初め、皆さんから頂いた沢山の山野草種子を蒔き、育てて観察し新しい山野草栽培に挑戦したいと思います。
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