栽培棚のすみれ

サクラスミレ

Viola hirtipes S.Moore
 日本に咲くスミレの中では大きな花を咲かせる。別名「スミレの女王」と呼ばれる。「サクラ」の名の由来は、花弁の先端が桜のような切れ込みがあるためらしい ?? 実際は切れ込みの無い個体の方が多い。
 花の色は、淡紫色から濃紫色。径2〜3cm程と大型で華やかです。花弁全体に紫条の網目模様があり、側弁には毛が密生していて柱頭は隠れて見えない。距は丸みを帯びて太く無毛。花柄や葉柄、葉の基部には粗毛が見られます。
 アカネスミレによく似ています。最大の相違点は、葉や葉柄、花柄、子房、距や種子に微毛が密集していればアカネスミレです。

 九州方面では標高の高い草原にチラホラ見られますが、東北方面では平地の明るい林床に見られます。夏場の暑さに弱く、冬の寒さに強い性質を持っています。花後に出る葉柄は長く、夏葉も花時の2〜3倍の大きさで、とてもスミレの葉とは思えません。
◆ 変種や品種
「ケナシサクラスミレ」 Viola hirtitpes S.Moore f.glabra E.Hama
葉身や葉柄などが無毛。または殆ど無毛の個体を指す。
「シロバナサクラスミレ」 Viola hirtitpes S.Moore f.lactiflora T.Hashim., nom. nud
花の色が白色で紫条がない。距に色が残る個体もある。
「チシオスミレ」 Viola hirtitpes S.Moore f.rhodovenia(Nakai)Hiyama ex F.Maek.
葉の葉脈沿いに赤い斑が入る個体を指す。
「nom. nud.」は「nomen nudum」の略で「裸の名前」正式な学名ではない、と云うことを意味する
◆ 栽培のポイント
夏場の蒸しによる根腐れ対策として、根は乾き気味にして空中湿度を高める。
培養用土 1.3〜10mmの硬質赤玉土+硬質鹿沼土+山砂+パーライト+椰子殻を混合して使用
2.鉢を5等分して、底部に大粒、次に中粒を入れ、その上にスミレの根を広げ小粒の砂で細根を覆います。
  太根を中粒で埋め株元手前までで止めます。株元周りには大粒を入れ冬芽の高さ2cm上で止めます。
鉢サイズ 雪割草鉢・素焼き鉢・ラン鉢などでプラ鉢は通気性が悪く根腐れを助長しますので止めた方が良い。
病害虫 乾き気味管理の為ダニの被害が甚大です。天然殺ダニ剤「コロマイト乳剤」で退治しています。
また「ヨトウムシ」「アオムシ」「ハマキムシ」などチョウ目害虫の幼虫には天然微生物「バシレックス」です。
肥料 液肥中心(ハイポネックス+モフミンk)置き肥は過肥になり根腐れを助長するので止めた方が良い。
花後から7月初旬迄と9月下旬から11月初旬まで、週1回すみれの株元に混合液肥を噴霧してやります。
置き場所 風通しが良い棚上で半日陰(チラチラ当たる方が良い)出来る限り涼しい木陰が良い。
●真夏の直射日光を避け、寒冷紗など用いた日陰で管理する(7月〜9月)
浅い発泡スチロール箱に湿らせた軽石或いは川砂を敷き詰めその上に鉢を並べ育成する。二重鉢でもよい。
●冬は底砂を取り除いた発泡スチロール箱に入れ、蓋をして初春の芽出しまで保管します。
潅水 加湿に弱く、年間を通して乾き気味に管理します。
植替え 根は地中浅く横に這い太根は少ない方なので、植え替えは軽く古土を落とし、黒く腐った根を整理する。
ヒゲ根は軽く手でむしり取るくらいで切り取らない。一回り大きな鉢に植替え、中粒の培養土を追加する。
ウンチク 1.栽培は難しい部類に入りる。夏場に消えることが多い(培養土の酸化が原因か)
2.保管した種子は発芽率が悪いので、採り蒔きとする(種子が上を向いたとき殻を割って白い種子を播く)
3.植え替えは毎年、花後が良く、遅くとも梅雨までには終わらせる。秋の植え替えは葉が枯れた後が良い
サクラスミレ(栽培品)
よく似たアカネスミレ
サクラスミレ(自生地)
サクラスミレ(自生地)
花の拡大(正面) 花の拡大(側面)
葉の裏 葉柄の粗毛
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